会計システムとERPの違いを全面解説

現在、手書きで帳簿を作成している企業の方は、会計システムの導入検討をおすすめします。会計システムを導入することにより、簡単な操作で会計業務の効率化に大きな効果をがあります。しかし現在では、会計システム単体でなく複数のシステムを統合したERPの導入が増えています。そこで今回は会計システムとERPの違いについてご紹介をさせていただきます。

目次

  1. 会計システムとは
  2. ERPとは
  3. ERP導入で解決出来る会計システムの課題
  4. まとめ

1. 会計システムとは

会計システムとは、従来の会計作業を自動化させることで業務の効率化と人件費の削減を可能とします。試算表や総勘定元帳、損益計算書・貸借対照表を自動で計算・作成出来る点やリアルタイムで経営状況の見える化出来る点、さらに税や申告書への対応できる点で導入するメリットが非常に大きなものです。その会計システムには主に3つの機能がございます。

①財務会計とは

財務会計とは、外部向けの会計であり貸借対照表や損益計算書等の決算書を元に自社の経営状況を株主や取引先に公表するものです。財務会計の役割は情報の提供と利害の調整です。財務会計は取引先や金融機関にとっては、今後の自社との取引を継続するかどうかの判断材料であり、株主にとっては配当や資産価値を判断材料として株の売買を判断するために重要な会計と言えます。

 

②管理会計とは

管理会計とは、財務会計とは逆の内部向けの会計となります。その管理会計の役割は予実管理と原価管理です。現状の自社の経営状態を把握し、目標達成に向けての新たな戦略・経営判断を行うためのものです。特に各部門や事業所ごとの売上や経費等を明確化出来るために、細かなセグメントでの戦略が立てることが可能です。

 

③債務債権管理とは

債務債権管理とは、お金の流れを管理し、正確な資金繰りをすることです。製造業においては製品の納入日とお金の支払い日が同時に支払われることが少なく、与信が発生すことがほとんどです。そのため、自社製品を納入後にはお客様から代金回収をしたかどうかの確認、一方で自社が他社製品を購入した際の支払いが済んでいるどうかの確認が必要となります。

2. ERPとは

ERPとは、英語Enterprise Resources Planning の略称で、直訳すると「企業資源計画」の意味で、つまり企業全体の視点から経営資源(人材、資金、情報など)を統合的配置し、経営の効率化を図ることです。こうした視点を基づいて構築されたシステムはERPシステムで、一般的にはERPはこのシステムのことを指しています。ERPシステムは基本以下の機能が含まれています。

  • 生産管理
  • 販売管理
  • 購買管理
  • 在庫管理
  • 会計システム
  • 人事給与

これらの機能を一つのシステムにまとめて一元管理するのは、ERPの目的です。ERPを導入することにより、企業の生産性、透明性、スケーラビリティ、効率、および効率を大幅に向上させるのに役立ちます。

3. ERP導入で解決できる会計システムの課題

会計システムの課題として挙げられるのは、会計分野のみを自動化する点でございます。特に会計システムを導入している企業は、他のシステムが存在するのは当たり前です。先程の製造業の資金繰りに代表されるように商品を出荷した際にデータを受発注システムに情報を入力し、支払い確認をした際に会計システムに情報を入力する場合がございます。また、受注をした際にお客様の情報と紐づけた際には、受発注管理と顧客情報と請求情報の3つのシステムの3つのシステムを運用する必要がございます。このように、別のシステムでの打ち込み作業では人的ミスの発生や入力作業の手間が発生します。

さらに、経営判断は会計情報だけを見る訳ではなく、販売状況を把握し、製品や部署毎の利益率、販売目標に対する達成度を吟味した上で判断をします。複数のシステムが混在しては、データの算出時間にバラつきが出るためリアルタイムでの経営状況ではないため間違った意思決定を行なう可能性があります。つまり、会計システムは結果システムであるため、ERPを導入することでリアルタイム管理による経営情報を見ることが可能になります。例えば、取引先が倒産してしまう場合においても、与信管理を実施しているために貸倒リスクを避けることが可能となります。

4. まとめ

会計システムの導入を検討している皆様にご注意して頂きたいことが、会計システムが業務の全てをカバー出来るのか否かです。企業においてスピードとコスト、正確性、経営の見える化は生き抜くうえで欠かせない要素です。そのため業務ごとにシステムが分断されているのならば、これらを実現することは難しいです。しかし、ERPなら会計システムに加え、販売管理、受注管理、原価管理、在庫管理等多くのシステムと連携しています。そのため、リアルタイムでの経営の意思決定を行うことが出来ます。つまり、短期的な会計業務の自動化による業務の効率化を検討している方は会計システムを長期的に会社の経営状況を見える化したい方はERPの導入を推奨いたします。

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