導入事例

10~15名の担当者で毎日2時間していた生産会議が、SyteLine導入後は3日で15分に短縮

採用のポイントは、グループ会社単位での緻密なマスター管理にある。
他社のERPでは困難な、グループ会社単位での受発注・在庫・会計管理が実現できることから
インフォアジャパンと日本ソフトウエアの共同チームでの構築支援のもと、当時メインフレームとオフコンで構成されていた
基幹システムを「Infor SyteLine」にリニューアル。

従来では、現状把握のために担当者が10~15人で毎日2時間必要だった生産会議が、
導入後は3日に1回の15分程度の会議で済むようになり、大幅な工数削減を実現した。

導入後は

導入前
現在の生産量・在庫量を把握することが基幹システム上では困難で紙と実物確認に頼った生産調整をしていた
導入後
Infor SyteLineの生産スケジュール管理、在庫管理機能によって机上で各工程の状況確認が簡単に可能となった
導入前
10~20ほどある中間工程の実績と納期を把握するには、現物確認と会議での確認をするしかなく、机上では、生産開始と完成品の納期しか把握できなかった。
導入後
「Infor SyteLine」で各工程の納期を計算・入力することで中間工程の納期を関係者がタイムリーに把握し、前後工程の状況に応じた臨機応変な対応を各工程で簡単にとれるようになった
導入前
毎日2時間の会議の主旨は現状確認で、前後工程の生産量、在庫量から各工程の生産量を計算するといった作業に忙殺されていた。
導入後
各工程の生産量、在庫量が会議をしなくてもわかるようになったため、今後どうするかといった未来の内容を会議の中で議論することが可能になった。

背景

今後、さらなる成長を実現するうえでは紙と会議の文化から脱却し、
オフコンとメインフレームによる基幹システムの入れ替えが急務に。

長野県松本市に本社を置く同社は1939年の創業以来、電設工具事業と家電事業の2つの柱を持ち、
電設工具事業においては、発電所から一般家庭のインフラに関わる圧縮・圧着工具、切断工具など
電気工事用のプロ用ツールの開発から販売を行っており、国内外で広く使われている。
家電事業においては、電気シェーバーを主軸に、調理家電や環境関連商品などOEM製品を広く展開しており、
松本本社工場、中国工場も含め、開発から一貫した低コスト高品質での製造を行い、国内外へ出荷している

今後、さらなる成長を実現するうえで欠かせないのが、現場の見える化、タイムリーな生産管理の実現である。
これらの重要課題を解決するためには、会議と指示書による現状把握からの脱却が必要不可欠であったと
同社 調達部 システム企画課 手塚氏は話す。

「当時は、オフコンとメインフレームによる基幹システムが動いていたのですが
部材の投入履歴と完成品の完成日しかわかりませんでした。
このため、各工程の状況を把握するためには各工程の担当者を集めて1日2時間程度の会議をしなければ
ならなかったのです。
そのため、基幹システムの刷新は急務だったのですが、
企業の再編に伴いシステムの見直しをするタイミングがちょうど来ました」

2012年、同社は電設工具事業に絞って、ものづくりの変革を目指し、
オフコンとメインフレームによる基幹システムの刷新検討に入った。

Infor SyteLine導入の決め手

グループ会社のマスター管理まで緻密にできる点が魅力

検討当初、InforSytelineを含めて6システムほど検討の俎上にあがっていたが、
最終的には、詳細な設定が可能でコスト感も適切であった同システムを採用することに決まった。

採用の決め手はグループ会社単位でのマスター管理であったと手塚氏は振り返る。

「当社では、全社ではなく、グループ会社単位でのマスター管理、生産・在庫管理が望ましかったが
Infor Sytelineを除いて、それが実現できるシステムが当時はありませんでした。
Infor Sytelineでは、会社という考え方でなくサイトという考え方で分けることができるので、
当社のやりたいことに最も合致していました。
また、将来を見据えた多言語対応や、複数の事業で使えるような詳細な設定ができるなど
その他の機能についても他の5つのシステムとも遜色がなかったことも大きかったです。」

下図のように生産計画・購買管理・販売管理・在庫管理までの基本機能を十分に備えていると
判断し、InforSyteLineの導入に至ったと続ける。

「当社の課題は、先ほど申し上げた通りリアルタイムでの各工程の生産管理・在庫管理です。
各工程で今何をいくつ生産しているのか、部材はピッキングして現在どこにあるのか、各工程の納期はいつなのか、
といった毎日の変化を追いかけられることが何よりも重要でした。」

導入のプロセス

業務の整理から帳票の実装まで
インフォアジャパンと日本ソフトウエアの導入支援のもとで実現

同社は、上記の課題が解決できるかどうか概念検証を実施し、Infor SyteLineの採用を決断。
メーカーであるインフォアジャパンが構築を請け負ったが、Infor Sytelineに関する豊富な導入実績と技術力、総合力を
評価して日本ソフトウエアの人材も構築メンバーに登用した。

要件定義から実装までを約1年という短期間で実現したが、
インフォアジャパンと日本ソフトウエアのサポートが功を奏して、大量の帳票実装、および補助システムの構築なども含めて短期間での実装に成功したと
調達部 システム企画課 課長 篠之井 昌昭氏は語る

「当時は、各所との調整や要件の定義など、てんてこ舞いの状態でとてもじゃないが帳票の設定まで行うことはできませんでしたが、
開発部分を導入メンバーとは別で日本ソフトウエアに協力してもらい、各種要件定義・実装だけでなく帳票もスムーズに入れてもらったのでうまくいきました。

また、Infor Sytelineの機能だけでは自社の特殊な生産管理には対応しきれない部分がありましたが、
実績収集システムという個別システムとの連携を構築いただき、連結することで緻密な生産管理ができるようになった。
インフォアジャパンおよび日本ソフトウエアの対応には満足している。」

また、同社はデータ移行のコンバータを開発・導入したが、生産スケジューリングの計算時間がネックであり
時間短縮が大きな課題であった。そこで、計算方式を抜本的に見直すことでスピーディな生産スケジューリングにも一役買っていると
篠之井氏は続ける。

導入効果

タイムリーに状況がわかるだけでなく、各工程の納期も把握可能に。
導入後は会議の時間が3日に1回15分に短縮。

2013年8月ごろ、Infor SyteLineの本稼働が開始した。
紙や会議による状況確認からERPへ、業務の効率も大きく改善したと篠之井氏は話す。

「今までは、現在の生産量・在庫量を把握することが基幹システム上では困難だったので
毎日関係者を集めて2~3時間も会議をしてやっと把握できるような状態でした。

導入後は、生産スケジュールを見るだけで計画に対する進捗状況や前後工程の把握が
簡単にできるようになりました。このため現状把握のための会議は毎日する必要がなくなり、
3日に1回15分程度で終わるようになった。しかも、内容は現状把握ではなく、
来月の生産計画などの未来に関する会議をできるようになり、有効な時間の使い方ができるようになりました。」

また、導入後に10~20工程程度あった各工程の担当者が自主的に納期を記入するようになり、先行管理が容易になったと
篠之井氏は続ける。

「今までは、机上では、生産開始と完成品の納期しか把握できず、各工程の納期は指示書をかき集めて
把握するしかなかったです。Infor SyteLine導入後は、各工程の担当者が納期を入力してくれるようになったため、
緻密な納期・発注・在庫管理ができるようになりました。これは当社にとって大きな改善であると思っています。」

現在はSyteLineをバージョンアップし、更なる拡張基盤を構築している。
さらに今後は、EDIの導入も検討している。Infor SyteLineのオプションモジュールには、サプライヤーベンダーがインターネットにて
直接所要データを閲覧しフォーキャストを捉えたり、注文情報の取り出し・納期回答の実現、単価・L/T等の契約管理が行える機能を
取り揃えており、拡充は可能だ。

会社概要

会社名 マクセルイズミ株式会社
創業 1939/04/01
資本金 3億3,200万円
従業員数 283人
所在地 〒399-8721   長野県松本市大字笹賀3039番地
ホームページ https://www.izumi.maxell.co.jp/