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ERPを導入する際のベンダーの選び方

目次

 

導入したいERPツールは決まったが、どのベンダーが望ましいかわからない。。。

こちらの記事は、そのような方に向けて、どんなベンダーがERP構築を依頼するうえで望ましいか解説しています。

1.ベンダーとは何か

ベンダーとは、語源となる「売る」という意味を持つ「vend」の名詞形である「vendor」を表す言葉が由来となっております。IT業界のみならず、幅広い業界でも使用される用語です。ただ、ベンダーという用語はIT業界で表現される場合が多く、IT業界以外では「サプライヤー」と表現される場合がございます。

さて、ベンダーは扱う製品の幅でシングル・ベンダーとマルチ・ベンダーの2種類に分類しております。前者は特定の企業の製品を取り扱うために、製品に対する深い知見を有します。一方で後者は、複数の企業の製品を取り扱うために、コストや機能、サービス等をお客様のニーズに最適なご提案が出来ることに起因します。しかし、幅広い知見とニーズとお客様に最適な提案を可能とするマルチベンダーですが、複数の製品を組み合わせることで、接続に不備が生じてしまう場合もございますので、一概にマルチベンダーが優れているとは言えません。

2.ベンダーとSIerの違い

一方で、ベンダーとよく混同される職業としてSIerがございます。SIerとは、「SystemをIntegrateする人」という言葉が由来となっております。つまり、SIerはシステムを構築する際にシステムの企画や設計、構築、運用サポートなどのシステム開発に関係する全ての業務を請け負う企業または人を示します。さて、企業の特徴によってSIerは大きく「ユーザ系」「メーカー系」「独立系」の3つに分類されます。

①ユーザ系Sler

ユーザ系SIerは、企業の情報システム部門が独立もしくは分社化したもので、親会社や関連会社が業務で使用するシステム開発・構築の仕事がほとんどなため、親会社の事業内容によってジャンル化されることが特徴です。

②メーカー系Sler

メーカー系SIerは、主にコンピュータのハードウェアを製造するメーカーが独立もしくは分社化したもので、親会社の製造するハードウェアに相性の良いシステムの開発や構築を行うことが特徴です。

③独立系Sler

独立系SIerは、ユーザ系とメーカー系のSIerと違い、親会社を持たないために、指定のハードウェアやソフトウェアに縛られることのない自由なシステムの開発・構築が特徴です。

このようにベンダーとSIerとの違いは、ベンダーとは販売部門であり、SIerは開発部門であるということです。ベンダーとSIerの各種類によって、様々なために自社で利用するシチュエーションに合わせた選定が必要になります。

3.御用聞きのベンダーに惑わされないようにしよう

お客様がいうことを丸呑みする御用聞きのベンダーが増えています。大変不躾ながら申し上げたいのは、お客様は自社の業務については詳しいですが、ERPについてはベンダーの方がプロです。このため、自社の業務をERPを使ってどのように効率化すればよいかはお客様とベンダーが膝を突き合わして、導いていく必要があります。 このため、できれば御用聞きのベンダーではなく、真の意味で業務改革ができるベンダー、かつお客様のゴールを示すことができるベンダーが理想となります。

所謂、AS-IS(現状分析)だけで終わらず、TO-BE(業務改革)をしっかりと示すことができるベンダーが最低限で、他社の事例や最新の潮流をもとに、自社の業種に合った内容を前もって語れるベンダーを選びましょう。ただし、語るだけではダメでお客様のゴールを理解し、示す力・・・つまり、機能の説明をしっかりとしたうえで、すり合わせられることがベンダーには求められます。

4.DXという言葉に惑われないようにしましょう

ただし、ゴールを示しても具体性がない、流行言葉でお茶を濁すパターンには注意しましょう。ひと昔前では、BPR、インダストリー4.0・・・・現在ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が流行言葉でしょう。このように抽象的な概念ではなく、具体性を伴った内容であるかどうか、しっかりと確認しましょう。

5.ベンダーに丸投げは禁物

しかし、ベンダーに問題がなかったとしても、お客様側に問題があった場合にはうまくいきません。実はERP導入が失敗する理由は大抵ベンダーの問題ではなく、お客様の問題であるパターンが散見されます。では、どんな場合がお客様の問題になるかというと、「ベンダーに丸投げをする」「丸投げはしていないが、業務の中身を理解している方をメンバーに入れていない」などが挙げられます。

ベンダーがお客様に最適な提案ができる前提は、業務を理解しきることです。そのためにも、業務を理解できる方をメンバーにいれて、その方の時間を十分に確保できるように社内で調整しましょう。